アイルランドは北西ヨーロッパに位置する共和制国家であり、ヨーロッパ諸国と比べると経済規模が小さいことからその多くを外国との貿易に依存しています。ここではアイルランドにおける商標制度を解説します。
アイルランドにおける商標権は、特許意匠商標長官が審査を行い受理されたものが保護対象となります。保護を受けるとさまざまな権利行使が可能になりますが、その内容としては差し止め命令や損害賠償といった民事救済・水際措置や摘発などの行政救済・刑事救済としての罰金及び禁固などがあります。これらの保護については所有者に与えられる主題を長官及び公衆が明瞭かつ正確に決定できる形として、登録簿に表示できることが条件となっています。また、アイルランドの商標法に定められている内容はアイルランドが商標の相互保護に関する条約や協定、取り決めまたは合意を締結している国や他の地域でも適用されるものとなっています。
アイルランドにおける商標出願は、出願後に審査がなされ受理されると公告・登録という流れとなっています。審査は特許意匠商標長官が行いますが、出願された商標が本法の要件を満たしているか否かを審査します。それらの要件を「登録要件」といい、これを満たしていないと判断される場合には出願人に対してその旨を通知し説明ないし出願の補正を行う期間を与えることとなります。出願人が要件を満たしていることを長官に認めさせられない場合や補正することができない場合、または指定された期間の終了までに応答することができない場合においては長官がその出願受理を拒絶することができます。一方で登録要件が満たされているものと認められる場合においてはその出願を受理することとなります。
アイルランドの商標法においては、「先の商標と同一であり、かつ先の商標で保護されている商品またはサービスと類似の商品またはサービスに対して登録されようとしていること」「商標が先の商標と類似であり、かつ先の商標で保護されている商品またはサービスと同一または類似の商品またはサービスに対して商標が登録されようとしていること」という関連の虞がある場合、登録されない可能性があります。また、「先の商標と同一もしくは類似である商標は、先の商標がアイルランドにおいて名声を得ていて、かつ正当な理由なく後の商標を使用することが先の商標の識別性もしくは名声を不当に利用しまたはこれに有害となる場合」も登録されない可能性があります。
アイルランドでは商品商標やサービスマーク、シリーズ商標・証明商標・団体商標が保護対象となります。登録できる商標の種類としては文字や図形・記号、立体的形状、単色の色彩・色彩の組み合わせに加えこれらの結合、音、動き、ホログラム、位置などとなっています。出願から登録までの期間は約7か月となっており、異議申立期間は出願公告日から3か月間です。さらに存続期間は出願から10年間と定められており、存続満了期間の6か月以内であれば更新を行うことが可能です。さらにマドプロ加盟国でもありますので、日本においてもマドプロ出願を行うことが可能です。
海外における商標制度は国によって制度が異なる場合もあり、それぞれにその特徴があります。締結している条約などによっても日本からの出願ルートが異なるなど煩雑な手続きも必要となりますので、外国出願を行う場合には専門家に依頼することをおすすめします。
特許庁が発表している「特許行政年次報告書」によると、2019年に商標登録申請を拒絶された割合は全体の 約40% (※)。なんと、2.5件に1件が「登録に失敗」しているのです。商標登録を成功させるには、実際に審査を行っている特許庁での経験を持った弁理士に相談することがカギと言えます。
そこでここでは、特許庁での勤務経験がある弁理士が在籍しているかどうかに注目して3つの事務所をピックアップ。
ぜひ事務所選びの参考になさってください。

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